過去

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《おかしい…こんな力はないはずなのに…》 急にドロッチェがこちらを向く その目はドロッチェの体についた返り血のように赤く、何者も逃がさないようなそんな目をしていた その目を見た瞬間動けなくなる 《(なんだ…何なんだ…こいつは…!?)》 すると、目の前にいた人物―ドロッチェは一瞬にして消えた 《な、何処に…!?》 キョロキョロと辺りを見回したその刹那 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 《!?》 町の方から悲鳴が聞こえた 色んな悲鳴が聞こえた。女のものも、男のものも、子供も、大人も年寄りでさえ、見境なしのようだった 《(一体何が起こっているんだ…あいつは何者なんだ…!?あれはホントに人なのか!?まるで…)》 「化物?」 急に声をかけられ、慌てて声のした方を見るとそこにはドロッチェがいた 《お、お前…な…ぜ…》 ドロッチェはそれを聞くと、更に怪しく笑った 「あはは…ボクがどうしてここにいるかってこと?それとも何故心が読めるのかってこと~?」 《…どちらもって言ったら?》 「いいよ~答えてあげる~…ボクはね、空間転移が出来るし、浮けるし、心が読めちゃうんだよ~」 《ほう…我らのようだな…》 「でも心は読めないでしょ~?」 《ああ》 「後違うことは、ボクは殺すこと、壊すことが大好きなんだよ~あはっ☆」 ドロッチェはそう言った後、こちらに迫った 「と言うことで…消えて?」 《ぐっ…ぐぁぁぁぁぁ!!》 ダークマターは消えた ドロッチェはそれを確認するとすぐにある場所へと向かった ある建物のなか、目の前の扉を開ける そこにいたのは、ドロッチェがもっとも大切な二人の弟妹(きょうだい)ラグとロッティだった 「やあ、ラグにロッティ…大人しくしていたかい?」 「に、にいさま…?」 ロッティが震えた声でドロッチェを呼ぶ 「にいさま!これ解いてよ!!」 ラグが叫ぶ そう、二人とも手足を縛られて身動きが取れないようにされていたのだ 「にいさま、何をするの!?」 「ふふ…何をするのかって?それはね…」 ドロッチェは手を宙へかざすとそこから剣が現れる 「に、にいさま…それは…!?」 ラグとロッティは顔を真っ青にした 「あはは♪さーて…どちらから殺してやろうかな…」 その時ラグが 「だ、だまれ!にいさまのにせもの!!にいさまはそんなことしないし言わない!!」
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