DNA#8

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「……ちょっ、……っ」 びっくりして思わず声が裏返る。 慌てて藍人の方を振り向こうともがくけれど、身体はがっちりと彼の腕にホールドされたまま、身動きも取れそうにない。 そんな姿を見てか、藍人は楽しそうに笑いを噛み殺しながら私の背中に身体を密着させた。 「……ひゃ、っ」 電話を受ける耳とは反対の耳に突然落ちた刺激。 電気が走ったようなビリビリとした感覚が身体を巡る。 そして、状況の掴めない私の耳元に、尚も甘い痛みと熱い吐息が落ちた。 『……もしもし?諸沢さん、どうかした?』 何? 何なの? ふざけてないで電話に集中して、早く……切りたいのに。 触れられた身体がたちまち熱を帯びて、思わずギュッと瞳を瞑る。 「……ほら、早く話さないと、怪しまれるぞ」 そう言って、藍人は身体を密着させたまま声をひそめ、また私の耳に吐息を落とした。
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