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そんなことを考えていると、校長先生は何かを話していて。
やはり、この身分の人の話は、1対1でも集中出来ないものだ。
「大丈夫?理解できた?」
という問いかけに、適当に「はい。」と作り笑いを浮かべ、頷く。
「本当か。これはなかなか納得してもらえないルールだから、安心したよ。」
先程よりも更に優しげな表情を浮かべる校長先生を不思議そうに見れば、「まあ、今の時代で、高校生で恋人がいない方が可笑しいのかもしれないけどね。」と苦笑した。
…ようするに。
この学校は恋愛禁止ということだ。
「このルールで注意される生徒は数えきれないんだけどね……と、もうこんな時間だ。」
その言葉に自然と視線が時計を捉える。
前もってスケジュールのプリントが配られているので、だいたい分かる。
きっと、あと3分くらいでHRが始まるのだろう。
「では、相良くん。2年6組まで案内してもらえるかな?」という言葉に相良…先輩は「はい。」と頷く。
「行くよ。」と私を促せば、ぺこ、と頭を下げ部屋を出て行く。
「失礼します。」と言えばつられるように私も部屋を出た。
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