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家が近くて、親同士が仲良くて、自然と3人一緒にいるようになった。 いわゆる幼馴染み。 生まれた時から側にいて、どこへ行くのにも、何をするのにも、いつも一緒。 ケンカをすることも度々あったけど、それでもやっぱり仲が良くて。 “まるで兄弟みたいね”って言われて私たち3人は育ってきた。 そんな私たちが、離れることなんてないと思っていた。 そんなことあり得ないって。 ずっとずっと3人一緒なんだ、って信じて疑わなかった私は、子供だった。 そんな私を置いて、涼汰と輝は大人になっていて、大人になった2人は私を置いてきぼりした。 「―――え?今…何て?」 まだまだ夏真っ盛りのある日。 久しぶりの涼汰の家、涼汰の部屋で。 「…俺、春になったら東京の大学に行く。」 頭がついていかない。 今、涼汰は何て言ったの?全然理解できない。 ハルニナッタラ、トウキョウノダイガクニイク?
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