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「フフッ…。」
微笑んだり、大声で笑ったり…そして、こうやって柔らかく笑う。
今までに、感じたことのない感情。
こんな気持ちが、俺の中にもあったのか…。
よく分からない。
でも、何だか温かいものを感じる。
スタンドから携帯電話を取り、トモに渡した。
「その機種の使い方、分かる? 結論が出たら教えてやるから、アドレス登録しておいて。」
「えっ…私のアドレス、登録しちゃって良いんですか?」
「どうせ、携帯の番号知ってるんだから…アドレス加わったって、大差変わりないだろ?」
そう言って、トモにメールアドレスを登録させた。
自分から連絡先を求めるなんて、仕事以外では久しぶりかもしれない。
次に会う、約束…。 交わせなかった。
でも、会う口実を作れば、会えない距離ではない。
これから…メンバーと、今後の活動について話をする。
良い結果は、出ないと分かっている。
それなのに…
今までにない満足感。
満ち足りている自分がいた。
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