341人が本棚に入れています
本棚に追加
電話を掛けると、ナオエはすぐに出た。
【…もしもし。】
低い声。
きっと、何を言われるか分かっているのだろう。
「…お前。 やってくれたな。」
【…。】
「前に、もう二度とやるな…って、言ったよな。 忘れたのか。」
【…。】
「…何とか、言えよ。」
――― カチ カチ カチ…
すると、受話口から短くて高い音が聞こえた。
ゆっくりと、同じ音が聞こえてくる。
「…!」
恐らく、カッターの刃を出す音。
「…あ”ーっ!!」
俺は通話を切り、キーケースを取った。
そのまま部屋を出て、車を走らせた。
最初のコメントを投稿しよう!