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治った筈の癖。
…人の情報を、ネットに晒すこと。
本人だって、悪いことだと分かっている。
「やめろ」って言ったら、ピタっと止めた。
今回の一件があるまで、前まで頻繁に見ていた他人の携帯電話も、それほど見たりしていなかった。
俺が、気付かなかっただけかもしれないが…。
…リストカット。
これに関しては、「やめろ」と言っていない。
ナオエ自身が、気付いたら止めていた。
目的や理由が無くなったのだろう。
何やら、「女の子だから…」と言って、傷を消す努力もしていていた。
でも、また新しい傷が増えていた。
少し乱暴な運転をし、ナオエの住むアパートへ向かった。
ここに来るのは、何ヶ月振りだろう。
…もう、来ないつもりだったのに。
もう、遅い時間。
チャイムは鳴らさず、玄関の前で電話を掛けた。
「部屋の前に居るから。 開けてくれるか。」
【…開いてる。】
玄関の取っ手を握ると、ナオエが言った通り、鍵が開いていた。
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