。。2年前 7月-2。。

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            『不用心だな…。』 玄関に入り、明るい部屋まで進む。 仕切られたガラス戸。 そこから、フローリングにしゃがみ込むナオエの姿が見えた。 扉を開け、ナオエの横に座る。 「…何、してんだよ。」 ナオエは、また出来た新しい傷に、消毒液を垂らしていた。 項垂れたまま、こちらを向こうとしない。 「…お前さ。 鍵ぐらい、掛けておけよ。 一人暮らしなんだから。」 そう言って、準備されていたガーゼを取る。 ナオエの腕を取り、傷の部分にそれを巻いた。 「…ユキが、来てくれると思ってたから。」 「…。」 ナオエは大人しく、俺に治療させた。 気を引くために、傷を作ったなんて… 笑える理由じゃない。 せっかく治そうとしていた傷も、また濃いものに変わってしまっている。                 
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