。。2年前 7月-2。。

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             手当てし終えると、ナオエは俺の肩に頭を乗せた。 「…。」 「…。」 二人とも黙ったまま、目の前に広がる赤い跡に目を落とす。 「…やっぱり、ヤダな。 この位置を、誰かに譲るなんて。」 「…。」 ナオエがそう呟くと、弱々しい声で話し続ける。 「別に、ユキを縛っておきたい…とか。 駆け引きがしたい…とか。 そう言うことじゃなくて…。」 「…何?」 「知っておいて欲しいな…って。」 「知る?」 ナオエは、呼吸を整えるように、大きく息を吐く。 血の気が引き、冷静になっているのか。 それとも、貧血が起こっているのか。 いつになく、ナオエが弱い生き物に思えた。 「私、今まで…ユキの1番側にいる異性だと思ってた。」 「…。」 「理由は知らないけど…ユキは女の人のこと、煙たがってるし。」 「…。」 「このまま、側に居れたら良いな…って思ってた。」                 
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