~一章~ 好きなものはファンタジー

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主人公の名は、ミカエル。年は21歳と社会人であり、ある営業所に勤めている。そんな大の大人のミカエルは、未だ身長が169cmと低くよく、中学生と間違われる事が多々あるのだ。 「はぁ、何で俺こんなとこに… 本当は編集にでもなってファンタジー漫画や小説何かを、かんがえたかったなぁ…」 ミカエルが本当に就きたかった仕事は編集であった。そのために、大学も文系の授業を受けていたのだが…今の時期はかなりの不況だ。受かる訳もなく、この仕事にいきついたのだ。 「おーい!ミカっち」 「っ…ああ、聡」 聡と言う青年は、ミカエルが日本へ留学してからの初めての友人であり、密かにミカエルに好意を抱いていたりする。この気持ちを伝える事が出来ずに、未だに友人のままでいたりするのだ。 「なぁ、今から飯食べに行かね?」 「ああ、もうそんな時間か…」 聡とは違う部署なのだが、毎日の様にミカエルがいる営業部に足を運んでは昼食に誘うのだった。 「ねぇねぇ!あれ!」 「あ、聡君だ!」 「やっぱり、あの二人って…」 「「デキテルのかな?!」」 (うわぁ…同じ部署の女の人にこんな事言われてるんだけど?) 「ちょ、もう、お前来るな!」 「え?何で?」 (おいおい…この会話聞こえてないのか?) 「いや、だからあのさ…」 「…もしかして、俺の事が嫌い?」 シュンとする聡は、本当に可愛らしくて…耳を垂らした大型犬のようだ。そんな聡の様子を見つめると何故だか断れなくなり、どうしてもミカエルは誘いにのってしまうのだ。 「…ったく、わかったよ」 「やった!じゃあ、早く行こう!!」 「わ、そんなに慌てるなよ…」 「いいじゃん!」 そんな感じで毎日が過ぎて行く。何もなくただ、それだけの毎日… だが、突然その日はやってきた。 【お主の命を頂こう。いや、それとも…もっと傷めつけて、藻掻く姿を拝んでやろうか。その方がもっと、面白くなりそうだな】 『やだ、いやだ!俺は…っ!!』
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