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綺麗な桜が舞落ちる学校
私立桜ノ花高校
桃色の花弁が春の穏やかな風景を演出している中を僕、夢坂 憐(ユメザカ レン)はゆっくりと歩いている
一見、麗らかな春の柔らかい日差しの中に居るようだが違う
季節は秋だ
体育祭が終わり、風が冷たくなって来た
ブワリッと大きく風が吹き、僕は冷たくなった手を寒風から守るように学ランのポケットに突っ込んだ
「よう、憐(レン)おはよー」
手を振りながら元気良く駆けてくるのは来るのは紅里 臨(ベニザト リン)
中学の時に知り合い、今では一番の友と呼べる存在だ
臨は背が高く、茶色の短い髪に茶色い瞳で整った顔立ち、明るい性格で運動神経が良く、サッカー部のエースストライカーだ
外見的にはモテそうだが
かなりのお喋りだ
「おはよ」
僕はいつも通り短く挨拶する
「相変わらず無愛想だなぁー、まぁ、憐は俺の一番の親友だからそんな短い挨拶でも返してくれる訳だから全然問題ないけど、もう少し愛想良くした方が友達が増えるんじゃねぇ?
それに、せっかく顔立ち良く産まれたんだからさー、笑ったら絶対モテるとおもうぜ!
ほら、わらってみろよ!
ニコッてほれほれ」
朝から良くそのハイテンションでいられるよな
それに、お前の滑舌はどうなってるんだ
そんな早口で良く噛まなかったな
お前の滑舌の良さに免じて笑ってやろうじゃないか!!
「だ・ま・れ♪」
爽やかに、出来るだけ美しく微笑みながら本心を口にする
大抵の奴は今みたいにすると、ポカンと口を開けたまま間抜け面になるか、顔を真っ赤にして怒るかのどちらかだが
「そうそう!
そうやって笑ってた方が絶対いいって!!
笑うとガン予防にいいって聞いたことあるし!」
僕の言葉なんか気にも止めず、明るい笑顔でマシンガントークを続ける臨
毎度の事だから慣れてはいる
しかし、ため息が口から漏れるのも毎度の事だ
こんな性格が正反対の僕達が何故、友達でいられるのか
それは、趣味というか……好きなモノが一緒だからだ
「それはそうと、知ってるか?」
「何を?」
「え、まさか知らないのか?!」
「何をと聞いただろ?
何についての質問か分からなければ解答出来ない」
「隣町の雨傘高校にずぶ濡れの幽霊が出るって噂だよ!!」
僕達が共通して好きなモノ
それは、心霊現象や妖怪、妖精、超能力など
まぁ、簡単に言えば………
オカルトだ
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