噂話

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一段と酷くなった臭いに手で鼻と口元を押さえてガードするが全く意味を成さない クソッ!! 学校側から配布された御守りを持っていても意味ないじゃないか! いやな汗が頬を伝う 「憐、大丈夫か?」 僕の異変に気付いたのか臨が話し掛けて来るが、気分の悪さで上手く返事が出来ない 「だ、い……じょうぶ、だ…」 「でも顔色悪いぞ また、あの臭いがするのか?」 臨の質問にコクンと頷く 早く教室に入りたい あそこなら僕の結界が張ってある この臭いから逃れられる 僕達は足早に教室へと向かった ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「大丈夫か?」 周りに聞こえないよう、小声で尋ねてくる臨 臨は血の臭いを感じない でも、僕の言葉を信じてくれるらしく 毎朝心配そうに僕を気遣ってくれる 「ここに居れば大丈夫だ、もう心配ない 毎朝悪いな…」 他人には分からない事を感じてしまう僕を大抵の奴は気味悪がり、化け物扱いするが 臨は普通に接してくるし、僕と友達になるし、僕の事を信用するし、変わった奴だ…… だからこそ毎日心配させてしまっている事に対して謝ってしまう…… 「何回同じ事言わせるんだよ!! 謝る事なんてないぞ! 親友を心配するのは当たり前だからな♪」 明るい笑顔でいつも通り安心させるように言う臨 良くそんな恥ずかしい台詞を平然と言えるな…… 半分呆れながら 半分笑ってしまう 血の臭いや千年桜は嫌だけど 穏やかに高校生活を送れたらいいなと思う けど そんな細やかな願いは 脆くも崩れ去る事になるなんて…… 破滅への足音に気付けなかった僕は僕自身を呪い殺したくなった………
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