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ー慶応元年、五月。
新撰組の隊員が増えために、屯所を長州に協力的だったという西本願寺に無理矢理移した。
私はというとー…
新撰組と一緒に西本願寺へ移動していた。
あの時…
道さんが屯所に来て紀乃屋に来ないかと誘って頂いた話を断り、私は新撰組と共にあることを選んだ。
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ー私はー…此処に残りたいと思います。
そう伝えると、道さんは寂しそうに目を伏せた。
ごめんなさい、道さん…。
でも私は、この人達の傍にいて歴史を変えたいから…。
そのことを伝えると、道さんは直ぐに笑顔を見せた。
「貴女が導き出した答えなら、残念ですが…引き下がるとしましょう」
そのまま席を立ち、「失礼します」と屯所を後にする。
私はお見送りを兼ねて道さんの後を追って広間を後にした。
ー道さんっ!
呼び止めると、道さんはその場で振り返って私が来るのを待っていてくれていた。
「瑠璃さん?どうしましたか?」
問いかけてくる道さんのペコンと小さく頭を下げてお礼をいう。
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