選んだ道

2/10
前へ
/40ページ
次へ
ー慶応元年、五月。 新撰組の隊員が増えために、屯所を長州に協力的だったという西本願寺に無理矢理移した。 私はというとー… 新撰組と一緒に西本願寺へ移動していた。 あの時… 道さんが屯所に来て紀乃屋に来ないかと誘って頂いた話を断り、私は新撰組と共にあることを選んだ。 ーーーーーーーーーーーーーー ー私はー…此処に残りたいと思います。 そう伝えると、道さんは寂しそうに目を伏せた。 ごめんなさい、道さん…。 でも私は、この人達の傍にいて歴史を変えたいから…。 そのことを伝えると、道さんは直ぐに笑顔を見せた。 「貴女が導き出した答えなら、残念ですが…引き下がるとしましょう」 そのまま席を立ち、「失礼します」と屯所を後にする。 私はお見送りを兼ねて道さんの後を追って広間を後にした。 ー道さんっ! 呼び止めると、道さんはその場で振り返って私が来るのを待っていてくれていた。 「瑠璃さん?どうしましたか?」 問いかけてくる道さんのペコンと小さく頭を下げてお礼をいう。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

320人が本棚に入れています
本棚に追加