松本良順先生

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ー雲ひとつない、晴天のある日。 屯所の入り口が突然騒がしくなった。 何事?と洗濯かごを抱えたまま入り口に向かうと数人の隊士とその真ん中に知らない男の人が居た。 その真ん中の人がまた…。 この新撰組の中でも一番じゃない?ってくらい身長の高い原田さんより頭一つ違う。 正しく"大男"という言葉が似合う人だった。 更には肩に何か生き物を担いでいた。 毛むくじゃらで茶色で角らしきものがあって…あれ、イノシシ? 体格からして妙な威圧感があるためか隊士たちが凄く警戒していた。 永倉さんなんて腕捲りなんてしてその人を追い帰そうとしていた。 でも…その人はニコニコと笑顔を浮かべて怒りもせずに「ハッハッハッ」っと豪快に笑っていた。 …なんて不思議な人なんだろうか。 というか、この人用があって屯所に来たんだよね? 何の用もなく新撰組の屯所に来る人は居ないし…。 これは近藤さんか土方さんに知らせた方がいいのかな? そう思って振り返ると丁度近藤さんがこちらに向かってきて歩いてくるのが見えた。 ー近藤さん!あの方が… 近藤さんに駆け寄ると、「大丈夫だよ」と言って近藤さんが例の男性の元へ歩いてゆく。 私もその後に続いて再び入り口へ向かった。 、
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