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ーせっかく誘って頂いたのに、ごめんなさい。でも、嬉しかったです。ありがとうございます!
そう伝えると、道さんは困ったように笑いながら、「いいんですよ」と呟いた。
「貴女が選んだ道ですから。…何かあったらいつでも相談してください。それだけで十分です。」
ニッコリと、道さんらしい笑みを私に向けて、今度こそ屯所を後にしたー…。
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そんなこんなで私は今も新撰組の元で家事やお使いをこなしている。
ただ一つ。
数ヶ月前と変わったとすると、私が本格的に刀の使い方を教わり始めたことだろうか。
道さんの「妖怪に狙われる」という言葉を受けて土方さんが提案したことだった。
主に教えてくれるのは沖田さんで、時々(いや、かなり?)無茶なことをさせられるが、きちんと丁寧に教えて下さったお陰で最近は誉められるようにもなった。
そんな、穏やかな日々が流れていた頃。
私は土方さんに呼び出されていた。
ー土方さん。また、あのお話ではありませんよね?
実は土方さんに呼び出され始めたのは今日が始めてではない。
既に5回を越えていたりする。
そして、その内容は大体同じ。
…さすがの私でも、もう流れを読めるようになっていた。
案の定、先に私が言った為に土方さんが言葉に詰まる。
それでも口にしたのは「本当に良かったのか?」だった。
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