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「にしても、瑠璃。…よく笑うようになったな」
ーえ?
突然話を変えられてポカンとしてしまう。
よく笑うようになったって…
そうかな?あんまり気づいたことなかったけど。
ーそうですか?と問いかけると、土方さんは小さく頷いて頭を撫でてくる。
うん。土方さんも変わったと思う。
ー土方さん。土方さんは私を子供扱いするようになりましたね?
そう訴えると、土方さんは「笑うと幼く見えるこらな」と言って笑った。
う…やっぱり子供扱いしてる。
ーそんなに子供扱いするならもう笑いませんっ!
ふいっとそっぽを向くと、土方さんが「それは困るな」と言った。
「笑ってろ。お前は笑ってるほうがいい」
そう言って口角を上げた。
土方さんって…女たらし!?
そんなことを思って呆気にとられていると、木々の後ろから誰かが飛び出してきた。
「土方さんってば、昼間から瑠璃ちゃん口説いちゃってるー。皆に報告しにいっちゃおっと」
まるで語尾に♪がつきそうなほどに可愛らしく、でもとんでもないことを沖田さんが口走った。
それをまたわざわざ土方さん本人に言う辺りは沖田さんらしい。
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