選んだ道

5/10
前へ
/40ページ
次へ
「にしても、瑠璃。…よく笑うようになったな」 ーえ? 突然話を変えられてポカンとしてしまう。 よく笑うようになったって… そうかな?あんまり気づいたことなかったけど。 ーそうですか?と問いかけると、土方さんは小さく頷いて頭を撫でてくる。 うん。土方さんも変わったと思う。 ー土方さん。土方さんは私を子供扱いするようになりましたね? そう訴えると、土方さんは「笑うと幼く見えるこらな」と言って笑った。 う…やっぱり子供扱いしてる。 ーそんなに子供扱いするならもう笑いませんっ! ふいっとそっぽを向くと、土方さんが「それは困るな」と言った。 「笑ってろ。お前は笑ってるほうがいい」 そう言って口角を上げた。 土方さんって…女たらし!? そんなことを思って呆気にとられていると、木々の後ろから誰かが飛び出してきた。 「土方さんってば、昼間から瑠璃ちゃん口説いちゃってるー。皆に報告しにいっちゃおっと」 まるで語尾に♪がつきそうなほどに可愛らしく、でもとんでもないことを沖田さんが口走った。 それをまたわざわざ土方さん本人に言う辺りは沖田さんらしい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

320人が本棚に入れています
本棚に追加