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「仕方ない。君は投票で殺害される事に賛成されたんだ」
背広姿男性が、女子高生を床に張り付けていた。彼女の周りには魔方陣のような幾何学的模様が書かれていて、四方に四本の蝋燭が立っている。
「しかし、人と言うのは残酷だ。表向きは善を振りまいていても、内面はそうじゃない。学校のホームルームで、人殺しをしていいかという議題が上がった時、殆どがこう答える。『それはいけない事だ、人殺しは絶対にやってはいけない』とね。だけどどうだい?結果はこうだ、千人にアンケートを取ったら、約八百人もの人間が、人殺しに対し興味を持っている」
男は女子高生の首元に剃刀を当てた。女子高生は両手が使えず、身体をくねらせ、なんとか逃れようとしている。
「私を殺したらどうなると思っているの!?警察に捕まって、あんたは死刑になる!」
「残念だが、それは無理だ。警察では僕を捕まる事を疎か、この事件は公には報道されないだろうからね」
「何を言って………」
「気になるかい?いいだろう、答えを教えよう。僕はアブノーマルだ。一定数の人間に無意識にアンケートを取り、判決をとる。それが僕の能力だ。今回はこの街の住人、1023人に、「人殺しをしていいか」とのアンケートをとった。結果はイエスが過半数で可決。僕が君を殺す許可が下りた」
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