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#2
蛍光灯が明滅するオフィス、そこにクサナギがいた。クサナギは缶コーヒーを飲みながら朝刊を読んでいる。
クサナギの前のデスクに一人の男が座った。髪はボサボサで髭を生やし、丸い眼鏡を掛けている。
「はぁ、またですよクサナギさん。また女子高生の被害者だ」
「また見たのか?相変わらずあんたの能力は凄いな、事件夢だったか?」
「凄かないですよ、こっちはいい迷惑です」
クサナギと話していたのは久遠という男だった。夢で事件を視る事が出来る能力を持ち、察知する事が出来る。
クサナギ達は「執行院」という仕事をしていた。アブノーマル能力者数人で立ち上げたこの会社は、世間ではただの何でも屋としか認知されていない。
「それで犯人は?アブノーマル能力者か?」
「おそらく、顔はよく見えなかったけど、あの異常なやり方は間違いない。最近ずっと俺の夢に出てくる奴だ」
「ならさっさと片付けないとヤバイな。久遠こい、現場に行くぞ」
「え?でも今からドラマが」
「んなもん録画しとけ、もしくはレンタルビデオ店で借りればいいだろう。さっさと行くぞ」
クサナギは椅子に掛けていたジャンパーを羽織ってオフィスから出た。それに慌ててテレビの録画設定をして、久遠が付いていった。
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