0人が本棚に入れています
本棚に追加
全く、いつも通りの平日だ。
満員電車に揺られる事40分。駅から歩き煙草でダラダラ歩いて20分。
勤続8年になる我が社のビルが見えてくるわけだ。
【有限会社里田物産】
文具から調理器具まで、生活小物はなんでもござれ。な、この会社。二十歳で就職して以来、なあなあにやってきた俺でもそれなりの評価をくださる、ありがたいことこの上ない会社である。
「おはようさんでーす。」
8時40分、まぁいつも通りに出社した俺を迎えたのは、我が雑貨チームの面々。
だらけたリーダーである俺を支える優秀なメンバーだ。
「山田さん、寝癖くらい直して下さいよ。」
苦笑しながら俺に声をかけたのは、童顔の優男、二階堂 誠二。
このチームを俺と一緒に立ち上げた頼れる相棒だ。
「うるへー。お前はオカンか。」
「28の独身男の身だしなみじゃないからな、注意されても仕方がない。」
背後から俺の肩を叩きながら現れたのは、タイトスカートのミスセクシー、佐藤 静香(32)。
ガスっ。
「っ、いてぇ…。」
「お前、今歳のことを考えたろう?天罰だ。」
所謂、げんこつって奴だ。俺の脳みそが一瞬プリンの様に揺れた…気がした。
「しずセンパイ、そんなだらしないのにかまってると、独身が移っちゃいますよ~?」
ケラケラと笑いながらデスクに座っていたのは、我がチーム最後の一人、キュートで小悪魔なムードメーカー 相田 薫だ。
「薫ちゃんはいつも可愛いなぁ。佐藤も少しは見習えよ。」
にやり、と笑いながら彼女を見ると、フンと鼻を鳴らしながら薫の前へ移動していた。
「お前は本当に男心がわかるんだな。」
そう言いながら薫の頬をつねる静香。
其れを見ながら苦笑する俺と誠二。
「誠二、愛しのハニーを止めてこいよ。」
「いや、怒りの矛先は山田さんか薫ちゃんが安定です。」
怒られたくないし…と、誠二は気配を消していた。
最初のコメントを投稿しよう!