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歳の差カップル、かかあ天下。
なんてのがよくお似合いな誠二と静香。今のチームになってすぐに付き合い始めたそうだ。
「大体、お前のその格好は、社則にはふれんのか?」
ふぅ、なんて軽くため息をついて、静香は言った。だが、お前のそのスリット入りのミニスカも中々にアレだぞ?
…なんて事は言えるわけもない。またげんこつは勘弁だ。
「え~?だって、叔父様はニコニコして許してくれますよ~?」
頬に人差し指を当てて小首を傾げる薫。まるで可愛い女の子だ。
そう…まるで可愛い女の子…。
「馬鹿者。同姓にイヤラシい目で見られて喜ぶな。」
そう、静香の言ったとおり、薫は歴とした“男”なのだ…。
「大体、コネで入社させる課長も課長だけど…、自分の甥をそんな目でみれるってのは、ある意味同じ男としては尊敬すべき…」
「な、訳ないでしょ。」
俺の迷妄した発言は、誠二というストッパー(ツッコミ役とも言う)によってスッパリと切り捨てられた。
「でも、私しっかり仕事はしてますから♪」
薫は満面の笑みで静香に返した。人事課長の甥としてコネで入社したものの、彼(彼女?)の仕事ぶりには目を見張る物がある。
「確かに。キッチリやることはやっているからな。それくらいは見過ごされているのか。」
薫も薫で、なんだか納得したようだ。
実際、このチームは我が社の中でも優秀な営業成績を残している。
正に優秀な部下達のおかげである。よって俺は、他のチームとの優劣が付きすぎないように、調整役としてサボタージュを慣行せざるを得ないのだ。仕方がない、これもリーダーの勤めよ。
ふふふ…。
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