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バシンっ!
口元に手を当てニヤニヤと笑みを浮かべていた俺の頭に、書類ブレード(丸めた紙束)が叩きつけられた。
「ってぇなぁ…、いきなり叩くなよ。」
「どうせろくでもない事を考えていたんだろう?」
にやり、と静香は笑いながら、手に持った丸めた紙をプラプラと揺らしていた。
「さ、そんな事より…もう九時になる。仕事に取りかかるとしようか。」
パンパン、と手を叩きながら発せられた静香の言葉とともに、我々四人は頭を仕事モードに切り替えた。
…あぁ、もう。静香さん、貴女がリーダーの方がチームが締まるんじゃないですかね?
「いや…それじゃあ、俺がサボれんな。」
少しの苦笑と共に、ぼそりと呟いた独り言は、誰の耳に留まることもなかったようだ。
代わりに暫くは、カタカタとタイピングをする音が部屋の中に鳴り響いた。
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