1章 ヒーローズ

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―――フェルカー・モルト学園、 『断罪の間』。 「はいはーい、お疲れさーん! どうだった? 休 み 明 け のミッションは」 「散々…いえ、余裕だったわ。 珊瑚先生」 「それはよかったよかった! これからもこの調子で頑張ってねー」 珊瑚先生、とはこの『断罪の間』という名の教室に住み着いている先生である。 露出度の高い服を好んで着用し、上から白衣をきている。 暗殺学科の担当者とは名ばかりの露出魔教師である。 ミッションを受領した場合、先程のミッションボード前の受付場で受け、完了すると報告をするといった仕組みになっている。 暗殺学科に所属する杏達はこの珊瑚先生にも報告をしなければならないのだ。 「君達入学してからパートナーになってもう4年でしょ? なーんでそんなに仲悪いの、先生見たことないよ…」 「仲? 仲は良いですよ、先生。 ほら」 杏の肩に腕を回し、柊也はにこりと笑って見せる。 腕を回された杏はというと、ぎこちない笑みを浮かべ、珊瑚先生からは見えない位置で柊也の背中をどつき、その柊也も見えない位置で杏をつねっていた。 「君達…バレバレよ……」
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