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「ねぇ、キャバクラの仕事してみない?」
コンビニバイトからの帰り、後ろの方からそんな声が聞こえてきた。
そういえば確か、私の後ろにすごく綺麗なオネエサンが歩いていたような。
綺麗だとモテる分、いらぬ声も掛かって大変そうだなぁ。
良かった~、美人じゃなくて。
なんて考えながら歩いてると
「少しでいいから、話を聞いてほしいんだ!」
…いきなり肩を叩かれた。
え??
ちょっっ!つかまえる相手を間違えてますよ!!
綺麗なオネエサンは後ろ、後ろ!
志村、うしろぉぉー!
普段、男の人から声をかけられる事なんてない私はかなり動揺しながら、男の方へと振り返る。
するとそこには身長は180cmくらい、体重はゆうに100kgを超えるであろう、ガッチリ体型の熊がいた。
違う。熊みたいな男がいた。
髪は茶色に染められた五分刈りで、服装はテカテカと黒光りしているスーツ。中から派手な柄のシャツが覗いている。
さらに、金のネックレスを着用し、セカンドバックを所持……
あれ?『なにわ金融道』で見たことあるな、こんな人。
ダメだ、絶対に関わりたくない人から声をかけられてしまった。
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