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そんな私とは対照的にいつもクラスの中心で楽しそうにしている女の子がいた。
勉強だって運動だってできるし、その上、抜群に可愛い。
しかも、明るくて話が面白いこともあって彼女の回りには男女問わず自然と人が集まっていた。
学力も、運動も、顔も、性格も。
何をとってもナンバーワンでみんなの憧れだった彼女。
そんな彼女の笑顔は本当に輝いていて眩しかった。
正直、羨ましかった。
何をしてもパッとしない、何の取り柄もない私だから、誰かと話したってどうせ相手にされないのだ。
でも、もし私があの子みたいに可愛くて、何でもいいから1つでもナンバーワンという取り柄があれば……私もあんな風に楽しそうに明るく笑っていたかもしれない。
そう。
もし、私がナンバーワンだったら――
「あっそうだ!美容院のエアロって知ってる?」
熊からの唐突な質問で私はハッと現実に戻された。
美容院エアロ?
確か、テレビや雑誌でよく紹介されている有名な美容院でおしゃれさん御用達のお店だったような。
普段、自分でカットしている私には縁のないお店だけど名前くらいは知っている。
それが一体どうしたのだろうか?
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