2012年12月24日

26/30
前へ
/235ページ
次へ
「久しぶりだね。高松 市枝(たかまつ いちえ)ちゃん。先月ぶりだね」 「気付くのが遅いんですよ! もう……」  市枝ちゃんは不機嫌そうに頬を膨らませながら腕を組んでいる。 「ごめんごめん。遠くからだと気がつかなかったんだ。それよりもさ、どうしてこっちに? 関東方面の任務に就いていたんだよね……」  僕は自分の軽はずみな発言に激しく後悔した。  市枝ちゃんが何かに恐がるように体がいきなり震え出したからだ。  僕は本当に馬鹿なことを言ったと思う。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加