393人が本棚に入れています
本棚に追加
「剛、お前が僕に気を遣ってくれているのはよく分かってる。でも今は僕じゃなく、妹のことを優先して欲しい」
僕は剛に近付くと剛の背中を軽く数回叩いた。
「妹を絶対に守ってやれるのは剛しかいない。僕のように家族を失って欲しくないんだ。剛、僕は大丈夫だから!」
剛に何の気兼ねもなく行かせられるよう、僕は笑いを浮かべながら話す。
「純、本当に……本当にすまん! 妹を府外の安全な所まで避難させたら、すぐに戻って来るからな!」
「剛が戻って来るまでに仕事は全て終わらせておくよ。じゃ、またね」
笑みを浮かべながら僕は右手を軽く左右に振った。
最初のコメントを投稿しよう!