1.王子の元に集まる運命で決められた人々

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 「では、私は出発の準備をしてきます」  リカリスは帽子を取って言った。帽子を取ったことによって耳と髪が出てきた。リカリスはキャウルット族。だから耳は猫耳だし、髪は黒猫みたいな色だ。彼女のしっぽには鈴ではないが特別な音を出す物をつけていた。彼女のしっぽが揺れる度に音が鳴っていた。 「ちょい待ちな。リカリス」 呼び止めたのはシンミカだった。また彼女も帽子を取った。彼女もまた犬耳で髪は明るいオレンジ色だ。犬耳が特徴のイヌセイ族だけはある。 「なんですか、シンミカさん」 「ちょい待った。敬語使わないでよ。私達同じ年なんだから」 「でも……」 「でもじゃないよ、全く」 ふぅと息を吐いて言った。 「あの私……準備の手続きをしてくるね」 「あーありがとな」 ニッコリと笑みを浮かべて2人にカララは軽く頭を下げその場から去った。また、2人も「準備してくる」と言いお互い自分の家へと向かった。
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