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朱里「・・・わかったわ。貴方の言うことは理にかなってるもの」
嘉山「・・・」
朱里「それじゃあ、出撃のタイミングが来たら教えて」
そう言って背中を向けた朱里に向かって声をかける。
嘉山「・・・俺も.....好きでやってるわけじゃない」
振り向いた朱里は、一瞬キョトンとした顔になる。
そして、意味を理解した後にクスッと笑った。
朱里「ええ。わかってるわ」
嘉山は、そう言い元いた場所に戻っていく朱里を見て、なんだか釈然としない表情でまた前を見る。
嘘をついているようで心苦しいが、栞の事情が事情なのでおいそれと吹聴して回るのは気が引けた。
嘉山(触れてほしくない過去なんて、誰にでも一つはあるしな)
それに、と。
悠斗がもしもの時のために手は打った、と言っていた。
あの悠斗がかけた保険だ。
余程の事がない限りは大丈夫だろう、と嘉山は一抹の不安を拭い去った。
嘉山「さて、そろそろいくぞ」
三人が頷いたのを確認して、隠れていた茂みから出た。
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