13873人が本棚に入れています
本棚に追加
菜月(いつもより頭が働いてるし.....脳にかかっている負荷が少ない。これなら.....!)
菜月が能力を発動してからわずか数秒。
その時間で50の軍勢の上を針が覆い尽くした。
一見、普通の針に見えるが、市販のモノより鋭利な作りになっている菜月特製の針だ。
殺傷能力も高く、殆どの強化系能力者ならば防ぐことすら出来ない必殺の技。
だが、それでもまだ河村の余裕は崩せていなかった。
最初こそ、発動範囲の広さに驚きはしたものの結局は針。
普通の能力者なら防ぐことは難しいかも知れないが、あいにく、河村が召喚したのは精鋭の屍。
全てが高レベルの能力者だ。
河村は思う。
まだ、こちらに天秤が傾いている.....と。
しかし。
その程度の事態を嘉山が予想していないわけがなかった。
嘉山(恐らく、針単体では相手の戦力を一割も削れない.....。だが.....付与効果があればどうだ?)
菜月「嘉山!」
これはあらかじめ二人が決めておいたことだ。
菜月が限界まで針を空中に作り出したら名前を呼ぶ。
そして。
嘉山「板東!」
朱里「いっ.....け!!」
そのタイミングで朱里に合図を出す。
後は朱里が事前の打ち合わせ通り、“針全体に出来る限りの重力をかける”。
普段の数十倍の重力を加えられた針は、その加重に比例し凄まじいスピードと貫通力を醸し出す。
これこそが、嘉山が考えていた二人の合わせ技だ。
最初のコメントを投稿しよう!