最終決戦

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菜月(いつもより頭が働いてるし.....脳にかかっている負荷が少ない。これなら.....!) 菜月が能力を発動してからわずか数秒。 その時間で50の軍勢の上を針が覆い尽くした。 一見、普通の針に見えるが、市販のモノより鋭利な作りになっている菜月特製の針だ。 殺傷能力も高く、殆どの強化系能力者ならば防ぐことすら出来ない必殺の技。 だが、それでもまだ河村の余裕は崩せていなかった。 最初こそ、発動範囲の広さに驚きはしたものの結局は針。 普通の能力者なら防ぐことは難しいかも知れないが、あいにく、河村が召喚したのは精鋭の屍。 全てが高レベルの能力者だ。 河村は思う。 まだ、こちらに天秤が傾いている.....と。 しかし。 その程度の事態を嘉山が予想していないわけがなかった。 嘉山(恐らく、針単体では相手の戦力を一割も削れない.....。だが.....付与効果があればどうだ?) 菜月「嘉山!」 これはあらかじめ二人が決めておいたことだ。 菜月が限界まで針を空中に作り出したら名前を呼ぶ。 そして。 嘉山「板東!」 朱里「いっ.....け!!」 そのタイミングで朱里に合図を出す。 後は朱里が事前の打ち合わせ通り、“針全体に出来る限りの重力をかける”。 普段の数十倍の重力を加えられた針は、その加重に比例し凄まじいスピードと貫通力を醸し出す。 これこそが、嘉山が考えていた二人の合わせ技だ。
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