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菜月「[針時雨]」
菜月のその一言により、朱里が加えた重力によって落下していた針に、菜月の意図して加えた力がかかる。
つまり、落下先の大まかなコントロール。
嘉山が[加圧]しているこの状態でも流石に一本一本を精密に操ることは不可能だ。
たが、大まかになら操ることが出来る。
まるで、意思を持っているかのように敵に襲いかかる針。
そこに更なる追い討ちがかかる。
菜月「板東!」
朱里「ええ。[加重]」
大まかな方向を決められた針にダメ押しの重力がかかる。
ズドドドドドドドド
それは名前通り、針の雨となり敵に降り注いだ。
河村「くっ.....!」
降り注いだ針は地面に刺さり、五メートルを優に越すほど土埃が舞い上がる。
その土埃の大きさが菜月の技の威力を物語っていた。
河村(あれはほぼ無差別系の技.....。威力はあれど仕留めきれないやつが必ず出てくる.....。約10人くらいは残るはず。そうすれば残りの10人でこいつらを片付けることが出来る)
腐っても精鋭。
当初より大分数を減らさせるが、それでも五分の一は生き残るだろう。
そして、それだけ残ればさして攻撃的な能力者でもないやつらには劣りはしない。
そう考えた河村は直ぐ様反撃のために思考を切り替えた。
この攻撃は不意打ちのようなもの。
もう二度と食らわない。
奴等は一介の高校生。
接近戦に持ち込めばこちらの勝率も上がるだろう。
だが。
徐々に晴れてきた土埃の中の光景を見て、河村は愕然とする。
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