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栞「招来 トライデント」
栞の手元が光り、輝きが収まるとそこには三又の槍が握られていた。
その槍の名はトライデント。
海神 ポセイドンが持っていたとされる槍だ。
栞が振りかぶり、河村を刺そうとした時。
ガシッと振りかぶっていた腕を捕まれた。
栞が振り向くと、そこには腕を握った嘉山がいた。
嘉山「こんなゴミは.....お前が倒すべき相手じゃない」
栞「・・・?」
嘉山「栞が手を汚す必要はない。こいつは.....俺が殺る」
栞「・・・了解」
事前に悠斗から言われていた“嘉山の言うことを聞くように”という教えが、栞を素直に従わせた。
河村「・・・嘉山 剛か。なんだ? お前が殺すのか? どうせ窒息させて殺すことしか出来ないのだろう? はやくしろ」
どこまでも自分の立場が上だとでもいうような言い方で河村が言う。
この男は、余裕を崩したくなかった。
河村(死ぬ時も声を上げたりなどするものか。薬を服用したあの日に、もう覚悟は済ませている)
だが、河村の予想は悪い方向に外れることになる。
嘉山「いや? お前に窒息なんて生ぬるい」
河村「・・・なに?」
思っていたことと違う事態に、河村は疑問を抱く。
殴り殺すつもりだろうか?
それとも刃物で刺す?
嘉山「この技を考え付いた時、使わないと決めたんだが。お前になら使ってもいいな」
なんにせよ、死ぬのには変わりない。
ならば、どれでも同じだ、と。
河村はそう思い、口にした。
河村「ふん。何にしても構わん。さっさと殺れ」
嘉山「そうか、なら遠慮なく。[強制沸血]」
河村の周りの気圧が下がる。
そのことにより多少は息苦しく感じる河村だが、それ以外に何の変化もなかった。
河村「・・・ぐっ.....!」
だが、それは突如として起こった。
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