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「今日、おじさんとおばさんはー? 仕事ー?」
「違うよ。日曜日だし」
「あ、そっか。……つーか、お前」
ひょこ、と顔を起こし、わたしの方をまじまじと見て、
「日曜なのに制服なんか着て、学校行ったの?」
自分も着ていることを忘れたかのように、俊輔が言った。
三か月ぶりに見る制服姿になんだか泣きそうになる。
「学校じゃないよ」
「じゃ、なんだよ」
「法要」
「法要?」
俊輔は一瞬考えて、
「え。誰か死んだっけ」
「俊輔だよ」
「……」
わたしの言葉に俊輔が目を見開き、ぽかんと口を開けた。
「え。……俺?」
「そうだよ。俊輔、─自分が死んだこと、忘れちゃったの?」
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