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 その後、「俺の傘に入って行けよ」という俊輔の申し出を頑かたくなに拒んだわたしは、必然的に拓己と初めての相合傘をすることになった。  そこから先は、緊張していたためかあまり記憶にない。  でも、振り返り振り返り前を歩く俊輔のふくれっ面と、  傘を持つ拓己の、わたしとは反対側のワイシャツの袖が透けてしまうほど濡れていたことだけは覚えている。  そして─俊輔はその名前入りの傘を、その日のうちにバスに置き忘れた。
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