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「……にしても、雨、よく降るなー。
止む気配ナシじゃん」
俊輔は呆れたような表情で濃いグレーの空を見上げている。
「……」
─ほんとに、俊輔だ。
形の良い黒目がちな目、少し焼けた肌、少し癖のある黒髪、目の下の泣きぼくろ。
いつもと何も変わらない、わたしがよく知る普段通りの俊輔。
その横顔を見ていると、すべてがいつも通りで、あまりにも普通すぎて……。
わたしはふと、もしかしたらこっちが現実なのではないか、と思った。
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