13人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご飯? 何言ってんの。そんなの後でいいよ。今日は話逸らさせないからね」
怒り心頭の玲奈に、しかし琉は全く悪びれる様子もなく、あっけらかんとしている。
毎度毎度、琉のペースでいつの間にか、反対に説教を受ける玲奈だ。
この期を逃すものかと、奮起した。
のだが。
琉の次の言葉に、即、気持ちが萎んでしまった。
「俺じゃなくて、碧の。もうそろそろ帰ってくんだよ、あいつ」
「………え?」
ヒクリと玲奈の口が引きつる。
「菊がお前を起こしてから、碧の飯作るはずだったんだ。それが誰かさんのせいで修理待ち。料理、出来ねぇだろ」
いやぁ困ったと、厭味を含ませて、大袈裟に額に手を当てる琉。
結局ペースはいつものごとく、琉にまんまと、もっていかれようとしている。
.
最初のコメントを投稿しよう!