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琉は玲奈を振り返り、ニヤリと、人の悪い笑みをその整った顔に浮かべた。
「一発で目が覚める、最高の目覚ましだっただろ?」
「どこがっ! つーか、驚き過ぎて窓から菊ちゃん投げちゃったんだからね。琉兄のバカ!!」
「ハァ?!」
呆れたように目を丸くする琉を尻目に、玲奈は急いで玄関に向かう。
「ごめんね、菊ちゃん。大丈夫?」
ドアを開ければ、そこには美しい女性が立っていた。
年頃は琉と同じか、少し下ぐらいだろう。
金の豊かな波立つ髪は、背中を流れている。
肌は透けるように白く、柔らかな瞳は深い緑だ。
薄ピンクのワンピースドレスがよく似合っている。
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