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琉が一言、いくぞ。と告げ、女性の背中からゆっくりと手を離す。
すると、次第に背中から青く光る針が出てきた。
五寸釘のような太い針だ。
針を全て抜き取ると、女性の姿が霞のように消えてしまった。
そして、現れたのは、それこそ玲奈が窓から投げた、あの人形だ。
髪にわずかについた砂が、同じ物だと物語っていた。
人形には魂が宿る。
そんな話を聞いた事があるだろう。
純粋な想いが宿るもの。
悪しき想いが宿るもの。
和泉家は代々、そんな人形に宿る霊魂を静め、又は使役する事を家業としているのだ。
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