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もちろん琉も玲奈も能力を有している。
玲奈は見習いだが。
「あー、ちょっと腕の間接緩いか?」
琉が日本人形についた汚れを払いながら、前後左右に回し、眉を寄せる。
着物を着た物だから、腕はあまり動くものではないはずだが、簡単に動いている。
「え、やだ! 聖に来てもらおう」
心配そうに覗き込んでいた玲奈は、慌てて電話に向かう。
どんな理由だろうと、落としたのは自分だ。
早く直してやらなければ。
先程から二人と話していた、菊と呼ばれた女性は霊魂だ。
琉が使役している。
人形に関する、あらゆる霊的現象の専門家。
彼らを総じて、鎮魂傀儡師(チンコンクグツシ)という。
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