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…反射的に名乗ってしまったがどうやら地雷を踏んだらしい、仕方ない。
ここは大人しく土下座でもして、決闘を取り止めに「決闘を受けなかったら警察に突き出す」よしっ! 決闘頑張ろっかな! 確か決闘の受け方は……。
青い光を放つ校章に手を添える、そして決闘受諾の言葉を返す。
「我、翠月蒼時は汝シャルル・エタンセルの決闘を受ける!」
目の前に決闘受諾と記された電子版が現れ消えていった。
(魔法のおかげで科学も40年前と比べると随分進歩した)
その瞬間に辺りに魔力の動きを感じた。結界魔法が働いたようだ。
「フン、王導十二星の私から逃げなかったのは褒めてやる」
「お、王導十二星?」
聞き慣れない痛々しい単語が出たので聞き返してみる。
「なに、王導十二星を知らないだと? もしかしてお前、転入生か?」
「そうだよ、てっ、なんかギャラリーがいる!?」
それもかなりの人数。いつの間に!?
「《ヴァルゴ》のシャルルが戦ってるぞ! 」
「相手は誰だ。ランキングは?」
聞き慣れない単語のオンパレードだ。
なんか複雑そうな機材用意している生徒もいるし。
「さっさと終わらせた方が吉だな」
そう言って腰にぶら下げているエストックを抜いた。そして重大な事に気がつく。
「待って! 俺丸腰!」
「なんで武器を持っていない。バカか? バカなのか……で、使う武器は?」
流れるようにバカにされた。
「かた……剣だ」
「誰か剣を貸してくれ!」
「あいよ」
ギャラリーから剣が飛んでくる、しかも抜き身で。それを片手で受け取る(怖かったのは秘密だ)。長さは目寸で90くらい。
「片手用直剣か、それにしては……軽いな」
「準備は出来たか……行くぞ変態!」
「しまった、誤解解くの忘れてた!」
「【ダークフレイム】!」
シャルルの周りが赤く燃え上がる。
「チッ、……魔女か」
「その呼び方は嫌いだな!」
禁句だったのか、攻撃が激しさを増す。
魔法攻撃が主体なら学科は魔術師科か、しかもかなり強力な。
さっきは王導十二星?の事聞き忘れたけど、学科ならわかる。
この学校の主な学科、つまり選択科目は二種類。
戦士科と魔術師科の二つだ。更に細分化も出来るが、今は置いておく。
しかし後者の学科を選ぶ生徒はかなり少ない。
今の時代、誰でも魔法は使えるが術式を覚えなければならないし、何より魔力量は生まれつきの才能で左右される。訓練次第で魔力は増えなくもないが、微々たるものだ。
それが魔術師学科の生徒が少なく、戦士学科が多い理由である。
余談だが一応戦士学科でも魔法の授業があるらしい。
頭の中で学科についてまとめていたら、目の前に真っ赤な壁が迫っていた。あれ、いつの間に?
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