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「赤茶色で上がソースかかってるみたいに白いのキノコ!」
「白い部分は赤いちっちゃな点々がついてるの!」
「裏側が真っ白だった!」
子供たちは口々に言う。
私はその証言と症状だけを頼りに図鑑をめくる
この近くにはえてるモノだとしたら、このキノコぐらいしかないはず!
「これ?」
図鑑の挿し絵を子供たちに見せる
「そうだよ!」
「これ!!このキノコだ。」
これか…厄介なシロモノがあたったわね。
私は心の中で難しい顔をした
「みんな、手伝ってくれる?」
『うん!』
みんな素直に頷いてくれた
「まず、井戸水汲み上げて氷と一緒にこの袋にいれて!それを濡らしたタオルの上からラディーの額にあてるの。氷が溶けたら新しく氷をいれてね。あと、13歳以上の子はお湯を沸かして、桶に入れて持ってきて!!居ないなら、危ないからやらなくていいわ」
そう言うと私は薬を取りに保管部屋に行った
「えっと……リゼ……アビ……フィ」
ブツブツと呟き、粉を計りにかけて、混ぜて量ってを繰り返す
この液を……よし!色が変わった
できた薬を持ってラディーのもとへ急ぐ私
部屋に入るとみんなが一生懸命に色々していた
かなり顔色が悪くなってきてる。ぎりぎりってトコかしら
「ラディー、聞こえる?口をあけて。薬をのんで。」
ラディーは口を少しあけた。
そこから薬を流し込む。
そして、水をすぐに飲ませた。
あとは、効くの待つしかない。
「みんな、ありがとね。薬飲ませたから、あとは大丈夫よ。下のテーブルにクッキーがあるから、食べておいで」
子供たちを部屋からだし、私は一人お湯にタオルを浸し絞ってラディーの汗を拭う
治ってお願い。
一時間ぐらいして、やっと症状が軽くなり始める
ほっ
安堵のため息と共に疲れ、それと疑問が湧いてきた
一体、誰がこんなことを?
私は子供たちが気になったこともあって下におりていった
すると、不安げな表情をした子供たちが私のもとへ来る
本当に心配してるんだね。
そんな子供たちをみて私は少し微笑ましく思った
「大丈夫よ。安静にしてれば一週間で治るから、またみんなと遊べるようになるよ。」
私は笑顔で言う
子供たちはぱぁっと明るくなった
「クッキー食べてないんでしょ?食べなさい。あ、その前に手をあらってね」
「ラディーの分は?」
ぽつりと女の子が言った。
「ちゃんと包むから大丈夫よ」
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