日常

7/7
前へ
/62ページ
次へ
その一言で何かが切れた その場ですごい音が響いた。 無意識に叩いてしまったのだ。 「なっ!?何すんだよテメェ!」 「あんたたち、命をなんだと思ってるの!命はね、玩具じゃないの!無くなれば、二度と戻っては来ないのよ!」 私は涙目になりながら怒鳴った 「無くなってないだろ!」 一人が反論した 「無くなってなかったからいいの?あなたたちのやったことは、知らなかったとはいえ犯罪なの!人殺しと変わらないのが分からないの?」 その言葉にはっとし、三人の顔は青ざめた。 「助かったとはいえ、苦しいのよ。相手の気持ちが分からない歳でもないでしょ?」 三人は黙り込んでいる 「家の人に知らせるから反省しなさい」 その場を去ろうとしたとき 「それだけは言わないでくれ!」 三人がすがってくる 「できない相談ね。自業自得よ!」 さすがに3軒に同じコトを言うのって気が退けるわ 私は子供たちに案内され、三人の家の人に説明してまわった 家に帰ると辺りはすっかり暗くなっていた。 「ふぅ、明日の分の薬を作らないと」 ランプに火を灯し、調合部屋に籠もって薬を作り始めた 私は変わりない日常がずっと続くのだと信じて疑わなかったのだ この時までは……
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加