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「申告せよ」
変なアクセントのスペイン語だった。
「コロラド上等兵です」
「中佐がお呼びだ。お前に話があるそうだ」
「解雇でしょうか」
言葉が理解できなかったようで、仕事を終わる、に置き換える。
「さあな、言われた通りにするんだ」
取り付く島もない。無感情とはこのことで、次の仕事に頭がいってしまったようだ。忠言の一つも無ければ、何かを読み取ることも出来なかった。
その後、コロラドは決意する。与えられた機会に、命を賭けることを。どんな手を使おうとも、やり遂げようと。
成功しても、失敗しても構わない。彼の気持ちはどちらでも、楽になれると答えを出していたからだ。
捨て身とはまた違う、境遇による達観である。全てが終わり、裏切られても良い。いつもそうだった、それが当たり前の人生を、数十年過ごしてきた。
国が震撼する。大事を終えて、約束の報酬を受け取りに行く。ところがコロラドは、真逆の道を選ぶことになる。自らを捧げる、その存在を見付けたのだ。
認めてくれたその人が喜ぶ顔が、彼は今までで一番嬉しかった。
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