始まりの始まり(2)

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しかしあれだな。 この老夫婦、あの最悪な皇帝ゲームに参加させられるんだ。 今はのん気に楽しく喋ってるけど、この後地獄が待ってるんだよ? まあ、この老夫婦もそうだけど、飛行船に乗船しているニート達と年金暮らしの奴らは、この後地獄が待ってるとは夢にも思わないだろう。 官兵衛「でも、なんだな。やっぱりこの首輪窮屈だな」 ジジイが首輪を触りながら言う。 梅子「あなた、仕方ないわよ。こんな夢のようなイベントだもの。ちょっと理解しづらい条件もあるけど、こうやってその条件をのんで応募したんでしょう?」 官兵衛「確かにそうだな。その条件をのんで応募して当選したんだ。多少の不満は我慢するしかないな」 梅子「そうよ。私達と同じ当選者の人達も私達と同じように条件をのんで、多少の不満は我慢してるはずよ」 官兵衛「ああ。我慢すれば良いだけだからな。食事も無料だし、飛行船から眺める景色も良いし、カジノみたいな所もあって遊べるしな。一度で良いからこうやって世界一周して、外の景色を眺めたかったんだ」 ジジイはババアにそう言って、窓越しから景色を眺めている。
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