隣同士の家、すれ違いの恋。

3/9

31人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
兄貴は隣の家の幼なじみであるあっくんが好きなのだ。 そしてそのあっくんこそ、俺の初恋の人。 今は留守なのかカーテンの閉じられた向かいの窓から目線を外すと、兄貴と目があってしまった。 「厚志、留守みたいだな。」 俺に笑いかけながら呟く兄貴にもやっとした何かを感じる。 「なんだ愛しのあっくんと話に来たのかよ、ここは俺の部屋なんだけど?」 誤魔化しつつも悪態をつくと兄貴は 相変わらず嫌な笑みを浮かべて距離を縮めてきた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加