序章 天駆龍ノ神ノ凶兆

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大正十四年。 大日本帝国は混乱の最中にあった。 と言うのも、護憲運動や米騒動(女一揆)などの一揆や改革運動で帝国は大きな転換期を迎えていることに原因がある。 単純な暴動や抗議活動、改革運動。 果ては帝国転覆を謀る不届き者が居ると云う噂まで立つ始末。 外国から多くの文化(衣食住や思想技術)が帝国に流入した故の事と考える者も居るが、それも誠に正しい事だろう。 何れにせよ、帝国に危機が迫っているのは疑いようも無い事実であろう。 このまま国内で混乱や活動が続き、国力が衰退すれば欧米列強に侵略されるのは間違いない。 事実、徳川幕府は欧米列強によって日ノ本を食い物にされ衰退し、滅亡したのだ。 列強の一員と成ったとは言え、隙有らば他国に喰われてしまうであろう。 それが今の世の理であるのだ。 故に政府は頭を悩ませる。何とかして不穏分子を討ち、帝国の国威を固持せねばならないからだ。 考えた末、政府はある者共に目をつける事になる。 それは『神降ろし』と呼ばれる者共の事である。
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