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私がそう言うとソフィアさんは悲しそうな顔をして話す。
「そうですね。本当は神様がすることなんです…。ですが、神様が調和を整えようとした時神様の体内に毒が侵入してしまったのです。その毒にやられ倒れてしまい……」
途中で切れた言葉を、呼ばれた意味を理解した私が繋げる。
「動けない神様の代わりに私達が呼ばれた。ってことですね」
ソフィアさんは弱々しく返事をすると、申し訳なさそうに謝る。
「どうして謝るんですか?」
「私達の都合の所為でお二人の人生を止めてしまったから……」
私はソフィアさんに笑顔を向けながら答える。
「気にしてません。寧ろ私が選ばれて光栄です。何かの役に立てるなら精一杯頑張ります!」
ソフィアは千尋の優しさに到頭涙が零れてしまった。
それを見た千尋は慌て始めた。
「大丈夫ですか!?」
「はい、ありがとうございます。貴女の優しさに少しだけ甘えさせて下さい」
「私が優しいか分かりかねますが、私で良ければ」
千尋はソフィアに向けて、今度は満面の笑みを見せる。
この空間には温かい空気が広がっていた。
(自分に託された使命)
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