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そんなことを思った後、用件を聞く為に変態クソ野郎に言う。
「話を聞くが、その代わりにあたしの質問には必ず答えろ」
「生意気だが、まあいい。大目に見てやる」
野郎はまた溜め息をつき、話始める。
「神からの言伝てだ。世界の理を正す為に、お前らの居た世界とは違う世界に行って貰う」
「お前〝ら〟って言ったな。千尋もいんの?」
引っ掛かる物言いに疑問を持ち、透かさず質問をする。
「ああ、いる。ここには居ないが俺様の愛しい片割れが説明してるだろうよ」
キモッ!!
愛しいとかキモッ!!
こんな変態クソ野郎に好かれてる人、可哀想。
そんなあたしの思考に気付いていない変態クソ野郎は、勝手に話を進める。
「お前らを事故死としてここに連れてきた理由はそれだけだ。以上」
「おい、やけに短いな」
「ちまっちまっちまっちまっ、面倒くせー話すんのは嫌いでな。詳しく知りたかったら向こうで聞きな」
そう言うと、変態クソ野郎は草むらの方へ戻って行く。
それを見ているだけのあたしに気付き振り向くと、あたしに向かって叫ぶ。
「何をぼさっとしてんだ、お前も来い!もう一人の奴に会わせてやる!!」
もう一人の奴と言う言葉に反応して、あたしは急ぎ足で変態クソ野郎の方へ向かう。
(早くあの子に会いたくて…)
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