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驚く私と対照的で海鈴は、おー、と感心していた。
「そろそろ時間です。お二人が行く世界の知識は頭に入れて置きますので安心して下さい。ご武運をお祈り致します」
その言葉を最後に私達はその場所から消えた。
後に残ったソフィアは涙を流していた。
いつの間に起きたのかノーピスはソフィアの肩を静かに抱き、真剣な声音で言う。
「あいつらなら大丈夫さ。上手くやれる。お前も聞いただろ?二人の言葉」
ソフィアはノーピスが言った言葉に頷いて返す。
「前世の記憶が無くても、無意識に自分達が司っていた力を欲していた」
そこでやっとソフィアは声を出す。
「破壊の力と創造の力……
…あの二人が司っていた力…」
ソフィアは自分からノーピスに抱き付き、胸に顔を埋める。
「ああ、懐かしいな……。ノーチェとネフィル………」
ノーピスの声は静かになった森によく響いた。
(二人の進む道に神のご加護を……)
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