はじまり

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春… 俺は今日から高校生である。 賑わう昇降口。 誰もが友達と自分のクラスを掲示板で確かめ合い教室に向かう中、俺は一人保健室へと向かう。 コンコン 「失礼します。」 保健室には優しそうなおばさん。 保健室利用者第一号ね、なんて微笑んでくる。 「頭が痛いので休ませてください。」 簡潔にそれだけを伝え、ベッドへ向かう。 体温計や氷枕を用意して心配してくれる先生には悪いけど、仮病です。 初日である今日の教室はうるさいのはわかりきっている。 なのにわざわざ教室になんて行きたくない。 今頃しているだろう自己紹介も俺には必要ない。 相手のことなんて覚える気もなければ仲良くする気もない。 出来ることなら卒業するまで一度も教室には行きたくないくらいだ。 まぁ、さすがにそれは無理だからちゃんと行きます。 でも、その前に少し寝させてください。 おやすみなさい…。
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