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ぼくが生まれた『世界』は、いわゆる『転生者』と言われる人たちが沢山いる世界らしい。
前世の記憶をもったまま生活をしている人が約8割もいるのだそうだ。
ぼくはそんな中に生まれた。
前世の記憶がある人は普通にいるのだと思っていたのだが、
転生したての方々がいうにはこの世界は普通じゃないのだそうだ。
転生者とかいう前世の記憶持ちは、普通にはいないことが常識だったとのこと。
そして
その人たちからしたら、ぼくは普通じゃないらしい。
転生した人たちが口を揃えて言う『勇者』が、
なんと、ぼくだというのだ。
現実感がなさ過ぎて困る。
だがしかし、ぼくにはこれっぽっちも記憶はない。
忘れてしまっただけだと、
そう言われることが多かったが、ぼくにとっては前世もなにも知らないことでしかなかった。
転生者ってのは、記憶を持ってるのが大前提の定義だ。
中には外見だけそのまんまだって人もいて、大抵は記憶喪失扱いされる。
だから世間からみると、
ぼくは全てを忘れてるようなのです。
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